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登場人物詳細

※登場人物のイラストは開発中です。
(画像提供:Show-G)



●白蓮(びゃくれん)
【厳島内侍(いつくしまないし)・吉川家家人(きっかわけかじん)】

主人公。安芸国・吉川国経に拾われた勇ましくも愛くるしい少女で、幼い頃から神通力がある。
現在推定十六歳。
現在はその美貌と才気を買われ厳島神社に巫女として招かれたが、しょっちゅう小倉山の吉川家にも愛馬を走らせ戻って来ているらしい。
”養い親”のじいさま(吉川国経)が、とにかく大好き。
吉川家に来るより前の記憶は失われているが――…現在が幸せなので、自分の孤児という身の上をちっとも悲観していない。

次項:吉川興経 / ↑PageTop



●吉川興経(きっかわ おきつね)

安芸国・小倉山城城主であり、吉川家当主。父の早世により、祖父吉川国経らの後見で十五の頃に家督を継いでいる。いまだ後見たちの口出しが喧しいことには辟易している様子もあり。
寡黙であるゆえに周囲に誤解を受けやすい性格で、側室が長子・千法師を生んでからは正室ともうまくいっていない。一方、馬や犬にはやけに好かれる。
白蓮が武道を磨くどころか戦にまで付いて来ることに関しては、もはや止める気がないらしい。どういう気まぐれか乱暴ながらも彼女の武芸の稽古には付き合うようだ。
戦場では手島兄弟ら屈強の仲間とともにほぼ負け知らずの強さを誇るが、煩わしさからか内政より離れがちになっている。
本来出雲の尼子家と親しいが、領地の位置関係により敵対する大内家の影響も受けざるを得ない。
※明石 …興経の侍女。

前項:白蓮 / 次項:美々 / ↑PageTop



●美々(みみ)

安芸国・三入高松城城主熊谷信直の息女。熊谷家は吉川家同様武勇の誉れが高く、近隣地の付き合いもある。
幼い頃、父親が戯れで持たせた刀を気に入って女子ながら武芸の鍛練をかなり本気でするようになってしまう。このあたりが似ていたこともあってか、父親とともに訪れた吉川家で白蓮とも親しくなっている。…とはいえ私生活まで彼女ほど男勝りではなく小物や小袖には少女らしいものを好む、明朗な姫。
良くいえばおおらか、悪くいえば大雑把。細かいことは気にしない。というより気付かない。嘘をついたり言葉を飾るほど器用ではないため、世渡り下手。気丈でいざというときに冷静でいられるところが長所。家庭的なことは苦手。
全く本人に悪気はないが、行動が総じてそそっかしいのでよく周りで物が壊れる。

前項:吉川興経 / 次項:吉川元春 / ↑PageTop



●吉川元春(毛利元春) 〔きっかわ もとはる〈もうり もとはる〉〕

安芸国・毛利家、毛利元就の次男であり、吉川国経の外孫にあたる。
十一歳で初陣を果たした戦場での勇猛さと、無邪気な人懐っこさを併せ持つ。もっとも元就に似たる若き智将と称される弟・隆景と対比され、武勇ばかりが知られがちだが意外に書が趣味であったりもする。その文字は大変に端正だが、…絵の方は何を描いても見る者の笑いを誘う。
普段は好奇心旺盛で仲間を愛する、まだまだやんちゃな少年の如く。しかし毛利本家を侮蔑されれば内なる非情が牙を剥く。
弟と一勝一敗を喫した雪合戦の決着は未だついていない。

母の死後、その実家である吉川家と養子縁組が行われ、吉川興経と家督争いが始まり白蓮とも(主に彼女の一方的に)対立することになるのだが……。

前項:美々 / 次項:棚守房顕 / ↑PageTop



●棚守房顕(たなもり ふさあき)
【厳島神社棚守(いつくしまじんじゃたなもり)】

厳島神社神職家、大内・毛利をはじめとし数々の名家の御師を務める人格者(「棚守」は役職名である。イメージとしては通常の神社における「神主」に近い存在)。
その実態はどこか危機感なく浮世離れした雰囲気のある、温厚な白蓮の上司。一見茫洋として見えるが、きわめて博識で情報通であり本殿に立っているだけでも大抵の事は知っている。
そも、白蓮の素質に目を留め厳島神社の内侍に招いたのも彼たっての誘いによるものである。
神の島たる厳島神社で日々起こる、白蓮の破天荒な素行に胃を痛めつつも、その才覚を常々認めており陰に日向に助力を惜しまない。

前項:吉川元春 / 次項:水月 / ↑PageTop



●水月(すいげつ)
【行商人】

第二部より登場。
焼き物作りと行商を生業とする寡黙で沈着冷静な少女。その実、幼い頃から己を押し殺す性格のため自分を表出すことが苦手であるため。
年頃が近しいこともあり、白蓮と出会った以後は親しく友誼を結ぶようになったと思われたが…どうやら、この親交はただそれだけの事情でもないらしい。

白蓮の失った過去の記憶について、重要な示唆をする。

前項:棚守房顕 / 次項:六依 / ↑PageTop



●六依(ろくえ)
【花火師】

第二部より登場。
安芸国吉川家城下の長屋に住まう、まだ若いが高名な花火師。顔の刺墨やばさら者の派手な衣装の愛煙家、常時仔狐を連れ歩くこともまた有名。
面倒見のよさで徒弟に慕われる義侠心の篤い兄貴肌。一方人をからかって楽しむ意地悪な性格、何かと不敵な喧嘩腰、頭に血が上るとゴロツキ張りにガラが悪い。
…しかしどうやら、彼が従える者たちは花火技術の弟子ばかりではないようだ。――その正体は何者であるのか?
元春が吉川に来てからは、この六依とかなり親しくなった様子。

前項:水月 / 次項:音羽ノ城戸 / ↑PageTop



●音羽ノ城戸(おとわのきど)

第二部より登場。
本名、弥左衛門。北伊賀藤林長門下・陰忍の上手十一人の一人と称えられる射撃の名手。
伊賀の中忍。間忍としては剽軽な性格だがきわめて狡猾にて詐略嗜虐的、気紛れ且つ仕事の選り好みが激しいため、少なからず伊賀においても厄介者である。
火術・謀術に秀でる優秀な忍びであるが、残忍で色好みの一面、つまらぬ理由で殺すことも知られている。
花火師・六依の討手として、突然に安芸へ現れる。
白蓮の過去についても何かを知っている様子だが……?

前項:六依 / 次項:明石 / ↑PageTop



●明石(あけいし)

柔和で健気な吉川興経の侍女。気難しい主君をよく支えており、興経も彼女には気を許すところがあるようだ。とはいえ明石が最近、白蓮の影響で武芸を嗜み始めたことはあまりよく思っていない。
白蓮とは数年の月日をともに過ごす、もはや姉妹のように親しい関係。それでも明石は親代わりの大殿(国経)に気を遣ってか、常に白蓮を立てようとする。

前項:音羽ノ城戸 / 次項:小早川隆景 / ↑PageTop



●小早川隆景(こばやかわたかかげ)

小早川家当主(養子縁組)。毛利元就三男、元春の実弟にあたる知的で明朗な策謀家。
品行方正で文武に秀で、しかし好戦的ではなく深謀遠慮、調略を好むあたりも父親寄り。人当たりの温厚さは父以上。一度戦となれば敵には手厳しいが、無駄な殺生は好まない。
兄たちのことは大好きだが、冷静さの裏で若さに似合う負けん気が強い性格もあり、まれに手ひどい我侭を言い出すことがある。
その知性的な麗姿に心惹かれる女性(たまに男性も)は多いようだ。

前項:明石 / 次項:山中鹿介 / ↑PageTop



●山中鹿介(やまなかしかすけ)

山中鹿介幸盛。武に秀で、深い忠義に知られる尼子家家臣。
祖父国経が妹を尼子家当主経久の妻としていたこともあり、吉川興経が尼子家と友好関係を望んでいたため、吉川家とは親密であった(第一部)。
真似事でも女に刀を向けるのは好まぬらしく、おつかいに来るたび白蓮のしつこい要求を受けながらも今のところ稽古に付き合ったためしがない。

前項:小早川隆景 ↑PageTop